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2004年10月16日 (土)

北斗の号について

 何気なく、「ジョン・バチラー遺稿 わが人生の軌跡」をめくっていたら、こんな記述がありました。

 「第5章 アイヌの説話と生活」の「星の伝説」より

 4 北極星は「Chinu-Kara-Guru(チヌ・カラ・グル)」と呼ばれ、「先覚者」、「保護者」を意味しています。しかし、その名前は、大熊座の意味にも使われるのです。熊祭りのときに、儀式の中で殺された後、直ちに子熊に与えられるのが「Chinukara Kamui(チヌカラ・カムイ)」(神なる守護者)という名前であることは、とても興味深いことであります。

 その子熊は、止めを刺された後に、その魂は、熊の祖先が住んでいる北極星に行くのだ、とされているのであります。このことは、熊祭りに参加している首長たちや、古老たちが、別れの挨拶に北極星の方向に向って空中に矢を放つ理由なのです。


 なるほど。北斗七星と同じ言葉で表される北極星は「先覚者」「守護者」の意味を持つんですね。

 いうまでもなく、中国においては「北斗」は死を司る星ですが、西洋では大熊座の一部です。
 北斗の父甚作は、余市における熊取り名人だといいます。北斗の家には昔ながらのヌサ(祭壇)があり、熊の頭蓋がイナホ(イナウ:木幣)とともに飾ってあったといいます。これは、北斗の家がイオマンテ(熊送り)を行っていた、ということでしょう。北斗は「熊の話」「熊と熊取の話」や、熊に関する短歌俳句など、熊に関する作品がけっこうあります。

 これだけでも、熊に対する思いがひとかたならないものだと思えてきます。

 いろいろと、符号することがあり、なんというか、くらくらするようです。

 「先覚者」「保護者」「大熊座」「死を司る星」。

 違星滝次郎はこれらのことを知っていて、「北斗」という号を名付けたのでしょうか。

 (ただ、バチラーの説は、この伝説がどの地方の伝説なのかを伝えていませんし、そもそもバチラーの説にはいろいろと信憑性に疑問符がつくところもあるようです)。

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