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2016年1月

2016年1月27日 (水)

没後87年

今日(もう昨日か)1月26日は、違星北斗の命日でした。没後87年です。

この1月26日という日は、北斗にとっては命日であるのと同時に、もう一つの記念日でもあります。

違星北斗は、死の5年前の1924(大正13)年、22歳の時に余市アイヌの修養団体「茶話笑楽会」を結成しています。

1月26日は皇太子(後の昭和天皇)の成婚記念日で、笑楽会はこの日に合わせて結成された、といくつかの資料に書いてあります。

アイヌである北斗がなぜ?

と思う人もいるかもしれませんが、それは今日的な感覚なのだと思います。

当時としてはおめでたい日に合わせて結成しよう、というのは当たり前の感覚だったのかもしれません。

ちなみに北斗と昭和天皇はともに1901(明治34)年同年の生まれであります。北斗は戸籍上は翌年1月1日生まれになっていますが、前年の年末に生まれています。北斗が戸籍上の明治35年ではなく、34年生まれを自称していたのには、そのあたりのことも関係しているかもしれません。

いずれにしても、
亡くなった1月26日が、北斗の民族復興の運動の最初の第一歩の記念日であり、さらにそれが昭和天皇の成婚記念日からとられている、というのはいろんな意味で数奇な感じがしてなりません。


 

2016年1月23日 (土)

変節のケーススタディ

昨日、東京外国語大学で開かれた「アイヌ民族とオーストラリア先住民――同化・差別と研究の現在」というワークショップに参加して考えたこと。

河野本道というアイヌ研究者は、昔は親アイヌ的な立場をとっていたけど、近年は小林よしのりや砂澤陣なんていうアイヌ民族否定論者のすがり立つ支柱のような存在になってしまった。

いろいろあって。

そう。その「いろいろあって」というのが、本当に厄介なのだと思う。個人的体験による変節。ルサンチマン。

河野本道が「いろいろあって」そうなった。
砂澤陣が(同上)。

その「いろいろあって」が、彼らを変節させ、
今や新たな差別と偏見の出どころになろうとしている。

一緒にしたらダメだけど、知里真志保の心にもいろいろがあった。
もしかしたら、病床でしたためられ、希望社によって取捨選択され、残らなかった違星北斗の日記にも、いろいろあった、その変化があったかもしれない。
(古田謙二の短歌に、病床の北斗の思想は歪んでいるという記述がある)

そういった、ルサンチマンや屈辱や絶望や挫折による変節や屈折が、それを利用したい者によって悪用され、ソーシャルメディアにより拡散されることで、今やその悪意は看過できないものになっている。

我々は、彼らの極めて個人的体験に根ざした、変節の記録を学ばなければならない。

明らかにしなければならない。
変節のケーススタディを整理しなければならない。

いろいろあって、こうなった。
だから、その人の言うことには気をつけろよ、フィルターがかかってるぞ、と。

これを読めという、決定版を作らなければいけない。
正解を示さなければいけない。常識にしなければならない。

僕たちは当たり前に思っていた、してはいけないことが、
いつからか、人を差別すること、虐げること、人を人とも思わないこと、人を苦しめることを、平気な顔、誇らしい顔で行うことがまかり通る世の中になってしまった以上は。

2016年1月20日 (水)

【新発掘】違星北斗ノートより

違星北斗大正14年ノートより、印象的な言葉を引いてみます。

(改行筆者)

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「私たちの子供の時代、またその次の時代が来たとき、ぶちのめされた民族が、こんなに勇敢に立ち上がったことを自慢に語ってきかせたい。

この立派な民族をつくりあげたのは俺たちであると言ってきかせたいではないか。

この義務と責任を負せられた大正のアイヌは人々の光栄としてうらやむことだと思う。」

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アイヌは自己の種族を卑下してはいけない。

己を卑下してゐ乍ら 他から卑下されたって 腹を立ては いけないのである

己を卑下せない者こそ 他より 卑下された時 腹立てることの道理なのである

自己が卑下する様な民族なら 他の民族から 笑らはれても いたし方あるまい

卑下すべきものとする者は 笑れても 虐げられても 不平を云う理由ないのである

(中略)

自己を卑下めるの愚を敢えてしてくれるなと云事を絶叫するのである。

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他から何ら取り入れてゐないアイヌは実は日本人の姿ではないだらうか

祖先崇拝は大生命の自覚であつたとしたら 

私しの祖先崇拝は大日本の天照大神より  アイヌのエカシの崇拝が重要ではないか

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とりあえず、3つだけ。

【新発掘】 違星北斗「小曲」

小曲

1 

アイヌモシリの

遠おい遠い

むかしこひしの

恋ひしややら

2 

光るは涙か?

それとも声か?

澄むほど淋し

大熊小熊

3 

みんなゆめさと

わすれてゐても

雲るも涙

照さえかなし

4 

北のはてなる

ケヌカラカムイ

冷めたいみそらに

まばたいてゐる

(大正14年ノートより)

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