余市姫
小学館 少年少女世界の名作1に所収の「余市姫」。
当たり前だけど、難解な金田一京助訳と比べて非常に読みやすい。
「余市姫」に描かれる余市村とチャシの描写は、
実際に大きな城があったという余市コタンに近い気がする。
余市姫はポンヤウンペの許嫁。
巨鳥に乗るポンヤウンペとその一行。
巨鳥伝説は実際に余市に残っており、
夜襲された際に、襲撃者を全滅させたという。
また、北方の勇者として山丹彦が盟友的な存在として登場するが、
余市アイヌの中には実際に、北方から襲撃して敗れ、土着したレプンクルの一族がいたと伝わる。
余市姫は神の如く気高い美少女。
だけど袖の中に「二又の鉾」を隠していて、
それで言い寄る男をバラバラの骨にする。
「めったに逃すことがない私が打ち損じるなんて」
口からシュウシュウ息を吐き敵を鳥に変えてしまいながら、
「私は平凡な少女だけど、主人公を逃したことだけは残念だわ」
と事も無げに寝る。
戦闘力も「萌え要素」も超高い。
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