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2020年9月 5日 (土)

「違星北斗書画集」追補

違星北斗書画集」ページの更新が難しくなってきたので、こちらに追補ページを作り たいと思います。

 

●北斗の短冊

Hokutotanzaku

「暦無くとも鮭来るときを秋とした

 コタンの昔 思い出される 

            違星北斗」

 

 所蔵者の方からお知らせいただきました。(経緯はこちら)

 http://iboshihokuto.cocolog-nifty.com/blog/2015/02/post-aaf8.html

●北斗自筆「コタン吟」の写真

Photo_20200905175601

違星北斗の自筆の短歌、五首。

「コタン吟

         違星北斗

アイヌッと只ひとことが何よりの
 侮蔑となって憤怒に燃る

何ッ!! 糞でも喰らへと剛放に
 どなったあとの淋しい静

正直なアイヌだましたシャモをこそ
 憫れなものと ゆるし此頃

  古平村にて

ウタリーの絶えて久しくふるびらの
 コタンのあとに 心ろひかるゝ

はしたなきアイヌなれども
たぐひなき
國に生れて さへはいを知る」

 

 誰に向けて書いたのかはわかりませんが、この短歌5首はいわば、

北斗の心の変化(あるいは複合的に共存)を書いたものかと思われます。

 1)和人への怒り

 2)怒りに囚われることへの淋しさ

 3)卑劣な和人への憐憫と赦し

 4)失われてゆくアイヌの文化への悲しみと憧憬の想い

 5)日本社会の中でアイヌ民族が活躍する場を作り出すため、

   和人と伍して生きるための覚悟と受容

 ただし、北斗にとって5)が到達点ではありませんでしたが。

 

●違星北斗ノートより

 違星北斗の大正14年のノートが、北海道立文学館に所蔵されています。

 東京時代の日記・雑記帳(メモ・創作ノート、住所録・講義録・家計簿)を兼ねたノートです。

Photo_20200905175604

エカシと海。

 

Photo_20200905175603

海で踊る人々。海岸には馬もいます。

 

 

Photo_20200905175602

小曲「冷(つめた)き北斗」の創作メモに、

輝く星と、冬山をゆく「鹿」の姿が描かれています。

1 アイヌモシリの とををい遠い
  むかし こひしの 恋ひじややら

2 光るは涙か? それとも声か?
  澄むほど淋し 大熊 小熊

3 みんなゆめさと わすれてゐても
  雲るも涙 照るさい(え) かなし。

4 北のはてなる チヌカラ カムイ
 冷めたいみそらに まばたいてゐる

小曲「冷たき北斗」についてはこちら

 

Photo_20200905175605

左ページに土器の絵。

右ページは「うってかえし、シンメトリカル(左右配列)、追廻し(巴の紋)、互違い、波状線のうって返し、だいたい骨、括弧体」

とあり、意匠から、アイヌ文様のメモのように思えます。

 

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