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2022年2月 2日 (水)

【新発見】違星北斗の手紙(金田一京助宛)大正14年5月25日

T様より、違星北斗の手紙の写しを発見した旨、お教えいただきました。
拝見すると、うち1点が新発見でした。
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豊多摩郡阿佐ヶ谷大字杉並村成宗三三二

金田一京介先生

机下
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前略

 昨日は誠に有がとう存ました

 殊に大好物なお汁子 沢山ご馳走様になりまして 御礼の申上げ様もありません

 あれから代々木の藤田様のお宅に行く ついでに久保寺様方に立寄りました

 ちやうどお留守でした そこのご主人は また 僕の先生(小学校)のそのまた先生なんでした ウレシカッタ

 そこからすぐ藤田様方に行き また愉快に遊び日曜の一日を過しました

 先生 如何でしたでせう 例のアイヌのことは 私しも大へん心配してゐました

 アイヌから一人でも能力のある者を出したい 私しは ホントウニ アイヌであって それが売り物でないことを 望ましい処から 昨日は 遂(つ)い 失礼を語菜?を申し上げたのであります どうぞ御海容を下ませ

 本日 東京日々新聞に戸田直斎?博士談「アイヌに就て」彼らは蛮人にあらず 系統は西洋人に近い……曰々の記事がありました

 こうしてアイヌでない人によって立證されることは 誠に感謝の次第であります 

 戸田氏はアイヌの少年(一三)を自宅に置いて教育してゐるそうです ナント云ふ 有りがたいことでせう 蔭乍ら拝んで居ります

兎に角く 今はアイヌの幸福の秋である様に思れます ちゃうど今までのと反対に同情に満たされてゐるのです

有りがたい時代に生れ合せたことを感謝致し舛。外部から證據たてられるより 内部から実證することを大切だと思います

それは 同情は ともすれば我等民族■惰弱に流れやすい欠点の多く持ってゐることを思ふからであります。

先日の問題を西川先生に相談しました(希望の件)三十一日(日曜日)にまたお伺い申上げます 先は一寸御礼申ます

 

四谷区三光町一五〇 市場協会内 違星北斗

 

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いろいろと新発見もあり、また「なるほど」と空白を埋めたり、なんとなく予想していたことを補強してくれる内容もあったり。
後で解析したいと思います。
・藤田氏はノートにある「藤田丙八」氏か。千駄ヶ谷在住。
・久保寺は久保寺逸彦か。北斗との接触は初確認。
・戸田直斎(直彦とも読める)は書家 https://www.tobunken.go.jp/materials/banduke_name/737261.html
・上記のアイヌの人種的な「系統は西洋人に近い」という説は、戦前の説で、今日では誤りであることが判明している。
・西川は西川光二郎、「希望」は北斗の希望なのか、あるは「希望社」のことである可能性もあるかもしれない。

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